金沢区の中古戸建て市場|京急線・シーサイドラインの利便性と海の街
横浜市金沢区で中古戸建て購入を検討する際、「相場はいくらか」「築年数によるリスクは」「どのエリアが住みやすいか」といった疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、金沢区の中古戸建て価格の相場、エリア別の特徴、物件選びのチェックポイントを、横浜市金沢区公式サイトの公式情報を元に解説します。
金沢区での中古戸建て購入を検討中の方が、適正な価格感と物件選びのポイントを理解できるようになります。
この記事のポイント
- 金沢区の中古戸建て相場は850万〜6,000万円程度で、築年数・立地により幅広い価格帯
- 坪単価67.6万円で前年比+2.9%上昇、直近3年間で約+5.3%上昇と資産価値が維持されやすい
- 沿岸部・埋立地は津波浸水リスク、山側は土砂災害リスクがあり、ハザードマップの確認が必須
- 築年数による耐震基準(1981年以前の旧耐震か新耐震か)とリフォーム費用の確認が重要
金沢区の中古戸建て価格の基礎知識|相場・価格推移・築年数別相場
(1) 中古戸建て相場(850万〜6,000万円程度、築年数・立地により幅広い)
金沢区の中古戸建ての相場は、築年数・立地により850万〜6,000万円程度と幅広い価格帯となっています(2024年時点)。駅近の築浅物件は高価格帯、バス便エリアの築古物件は低価格帯となる傾向があります。
約159件の中古戸建てが売り出し中で、リフォーム済み物件も増加傾向にあります。
(2) よく取引される面積(100㎡程度)
金沢区でよく取引される中古戸建ての面積は100㎡程度です。これは建物面積(延床面積)で、土地面積は物件により異なりますが、一般的に100〜150㎡程度が多い傾向です。
100㎡の戸建ては3LDK〜4LDKの間取りが一般的で、ファミリー層に人気があります。
(3) 坪単価と地価動向(67.6万円、前年比+2.9%上昇)
金沢区の坪単価は67.6万円で、前年比**+2.9%上昇**と上昇基調を維持しています(2024年時点)。世帯数の増加により住宅需要も増加しており、金沢区の不動産市場は安定した推移を示しています。
坪単価は1坪(約3.3㎡)あたりの土地価格で、地域の不動産相場を比較する際の指標となります。
(4) 直近3年間の価格推移(約+5.3%上昇で資産価値維持)
金沢区の中古戸建て価格は、直近3年間で約+5.3%上昇しており、資産価値が維持されやすい傾向にあります。京急線・シーサイドラインの利便性、海沿いの環境、八景島シーパラダイス等のレジャー施設が評価されています。
ただし、バス便エリアは高齢化により需要が減少傾向で、将来的な資産価値には注意が必要です。
金沢区エリア別の特徴比較|金沢文庫・金沢八景・能見台の住環境
(1) 金沢文庫・金沢八景駅周辺(駅チカは希少性高い、マンション多め)
金沢文庫駅・金沢八景駅周辺は、京急線沿線で都心へのアクセスが良好なエリアです。駅チカエリアは国道16号線に近くマンションが多いため、戸建ては希少性が高いです。
金沢文庫駅から品川駅まで約35分、横浜駅まで約20分と、通勤・通学に便利な立地です。商業施設や公共施設も充実しており、生活利便性が高いことが特徴です。
(2) 能見台エリア(高台で眺望良好、坂道あり)
能見台エリアは、京急線の能見台駅周辺の住宅地で、高台に位置するため眺望が良好です。物件によっては八景島シーパラダイスが望める場合もあります。
ただし、坂道が多いため、日常の移動手段を事前に検討する必要があります。電動自転車や自動車が必須となる場合があります。
(3) 山側エリア(バス便20分以上、大型戸建て・価格抑えめ)
山側エリアは、駅からバス便で20分以上離れた住宅地で、大型戸建てが多く、価格が抑えめです。広い敷地や駐車スペースを確保できるため、ファミリー層に人気があります。
ただし、バス便エリアは高齢化により需要が減少傾向で、将来的な資産価値に注意が必要です。また、坂道が多いエリアもあり、生活利便性を慎重に検討してください。
(4) 都心へのアクセス(品川まで約35分)
金沢区から都心へのアクセスは、京急線で品川駅まで約35分、横浜駅まで約20分です。シーサイドライン(金沢シーサイドライン)を利用すると、新杉田駅でJR根岸線に乗り換えて横浜駅へアクセスできます。
通勤・通学の利便性と予算のバランスを考慮し、駅からの距離を慎重に検討することが重要です。
中古戸建て選びのチェックポイント|築年数・耐震性・リフォーム費用
(1) 築年数と耐震基準(1981年以前の旧耐震か新耐震か)
中古戸建てを選ぶ際、最も重要なチェックポイントは築年数と耐震基準です。1981年6月1日を境に建築基準法の耐震基準が改正され、旧耐震基準と新耐震基準に分かれます。
- 旧耐震基準(1981年5月31日以前): 震度5強程度の地震に耐える設計
- 新耐震基準(1981年6月1日以降): 震度6強〜7程度の地震でも倒壊しない設計
新耐震基準の物件の方が耐震性が高いため、安全性を重視する場合は1981年6月以降の物件を選ぶことを推奨します。
(2) リフォーム費用の見積もり(水回り・外壁・屋根の劣化状態)
中古戸建ては、築年数によりリフォーム費用が発生する場合があります。特に水回り(キッチン・浴室・トイレ)、外壁、屋根の劣化状態を確認してください。
主なリフォーム費用の目安:
- キッチン交換: 50〜150万円
- 浴室リフォーム: 50〜120万円
- トイレ交換: 15〜30万円
- 外壁塗装: 80〜150万円
- 屋根修理・葺き替え: 50〜200万円
内覧時に劣化状態を確認し、リフォーム業者に見積もりを依頼することを推奨します。
(3) 隠れた瑕疵の確認(雨漏り・シロアリ・基礎の劣化)
中古戸建ては、隠れた瑕疵(かし)が存在する可能性があります。特に以下の点を確認してください。
- 雨漏り: 天井・壁のシミ、カビの有無
- シロアリ: 床の軋み、木材の劣化
- 基礎の劣化: 基礎のひび割れ、沈下の兆候
内覧時に目視で確認し、不明点は売主や不動産会社に確認してください。
(4) リフォーム済み物件のメリット・デメリット
リフォーム済み物件は、売主や不動産会社がリフォームを完了してから販売する物件で、すぐに入居可能です。
メリット:
- すぐに入居可能(リフォーム期間不要)
- 設備が新しく、数年間は修繕不要
- 住宅ローン控除の対象となる場合がある
デメリット:
- 未リフォーム物件より割高な場合がある
- 自分好みの間取り・設備に変更できない
- リフォーム箇所以外の劣化状況が分かりにくい
リフォーム済み物件を選ぶ際は、リフォーム内容(水回り・外壁・屋根・内装等)を確認し、未リフォーム箇所の劣化状況もチェックしてください。
(5) ホームインスペクション(建物状況調査)の活用
中古戸建て購入時には、**ホームインスペクション(建物状況調査)**を実施することを推奨します。建築士等の専門家が、建物の劣化状況や欠陥の有無を調査するサービスです。
費用: 5〜10万円程度 調査項目: 基礎・外壁・屋根・床下・小屋裏・設備等
ホームインスペクションにより、購入前に建物の状態を正確に把握でき、後のトラブルを防ぐことができます。
金沢区の災害リスクと注意点|津波・浸水・土砂災害ハザードマップ
(1) 沿岸部・埋立地の津波浸水リスク(ハザードマップ確認必須)
金沢区は横浜市南部の海沿いエリアで、沿岸部・埋立地では津波浸水リスクがあります。中古戸建て購入前に、横浜市金沢区の津波ハザードマップで浸水想定区域を必ず確認してください。
津波ハザードマップは、最大クラスの津波が発生した場合の浸水想定区域や避難場所を示した地図で、横浜市が作成・公開しています。
(2) 山側・高台の土砂災害警戒区域(土砂災害ハザードマップ)
金沢区の山側・高台エリアは、土砂災害警戒区域に該当する場所があります。購入前に、横浜市金沢区の土砂災害ハザードマップで警戒区域を確認してください。
土砂災害警戒区域は、土砂災害が発生した場合に住民の生命に危害が生じるおそれがある区域です。急傾斜地の崩壊、土石流、地すべり等のリスクがあります。
(3) 洪水・内水・高潮の浸水リスク(宮川・侍従川周辺)
金沢区には宮川・侍従川が流れており、洪水・内水・高潮の浸水リスクがあります。横浜市金沢区の浸水ハザードマップで、河川周辺の浸水想定区域を確認してください。
浸水ハザードマップは、洪水(河川氾濫)、内水(下水道の排水能力を超える雨水)、高潮(台風等による海面上昇)の3種類の浸水リスクを示しています。
(4) 坂道の多さと生活への影響(電動自転車・将来の高齢化)
金沢区は坂道が多いエリアがあり、日常の移動手段を事前に検討する必要があります。特に山側・高台エリアでは、駅や商業施設への移動に電動自転車が推奨される場合があります。
また、将来的に高齢になった際の生活利便性も考慮してください。坂道が多いエリアでは、高齢になると移動が困難になる可能性があります。
(5) バス便エリアの将来的な資産価値リスク
バス便エリア(駅から徒歩20分以上、バス利用が必須)は、高齢化により需要が減少傾向で、将来的な資産価値下落リスクがあります。
購入前に、以下の点を確認してください。
- バスの運行本数(朝夕は多いか、日中は減るか)
- 最寄り駅までの所要時間
- 将来的にバス路線が廃止される可能性
アクセスの利便性を慎重に検討し、長期的な資産価値を判断してください。
まとめ|金沢区の中古戸建て選びのポイントとライフスタイル別の選択肢
金沢区の中古戸建て相場は850万〜6,000万円程度で、築年数・立地により幅広い価格帯です。坪単価67.6万円で前年比+2.9%上昇、直近3年間で約+5.3%上昇と資産価値が維持されやすい傾向にあります。
沿岸部・埋立地は津波浸水リスク、山側は土砂災害リスクがあり、横浜市金沢区の公式ハザードマップでの確認が必須です。築年数による耐震基準(1981年以前の旧耐震か新耐震か)とリフォーム費用の確認も重要です。
中古戸建て購入は大きな決断です。ホームインスペクション(建物状況調査)を活用し、宅地建物取引士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しながら、慎重に判断しましょう。
